【創作】信じるものは救われろ。【第三話/それは確かに愛でした】#2
丘へ夕陽を見に行って数日が経過した。
聖はふと、日に日に利子の元気がなくなっている事に気が付く。
少女らしい林檎色に染まっていた頬は青白く少しこけているようだった。
見かねた聖は放課後利子に声をかけた。
「利子、調子が悪そうだけど大丈夫?」
「最近夢見が良くないの…、なんだろう…アンモナイトみたいなオバケが夢にでてくるんだ」
「アンモナイト…?」
「うん、それでね、”みこさまはわたくしのものだ”って言ってくるのよ」
「みこさま?…友達?」
「わからないの…」
「そう…」
「ねぇ気分転換に、あの丘に一緒にいかない?」
「でも、すぐに帰って休んだ方がいいんじゃ…」
「…お願い」
「わかったよ」
寝不足で弱った利子の願いを聞き入れて、丘へ向かう。
放課後少し喋った事で以前着た時よりも時間が遅く大分日が落ちて暗くなっていた。
「夕陽は見れないね」
「…そうですね」
「…利子?」
「…皇子さま…丘へ夕陽を見に行って数日が経過した。
聖はふと、日に日に利子の元気がなくなっている事に気が付く。
少女らしい林檎色に染まっていた頬は青白く少しこけているようだった。
見かねた聖は放課後利子に声をかけた。
「利子、調子が悪そうだけど大丈夫?」
「最近夢見が良くないの…、なんだろう…アンモナイトみたいなオバケが夢にでてくるんだ」
「アンモナイト…?」
「うん、それでね、”みこさまはわたくしのものだ”って言ってくるのよ」
「みこさま?…友達?」
「わからないの…」
「そう…」
「ねぇ気分転換に、あの丘に一緒にいかない?」
「でも、すぐに帰って休んだ方がいいんじゃ…」
「…お願い」
「わかったよ」
寝不足で弱った利子の願いを聞き入れて、丘へ向かう。
放課後少し喋った事で以前着た時よりも時間が遅く大分日が落ちて暗くなっていた。
「夕陽は見れないね」
「…そうですね」
「…利子?」
急に利子が聖に敬語で相槌を打ったため聖は驚いて隣を見る。
すると利子はそんな聖に抱きつく。
「…皇子さま…ずっと、ずっと…お会いしとうございました…」
「…としこ…?」
「利子ではございませぬ。…菟道貝蛸皇女(ウジノカイタコヒメミコ)にございます」
「菟道貝蛸皇女…!?」
抱きつかれた聖は”彼女”を抱き返すことはできず、ただただ驚愕の表情を浮かべた。